湖西市鷲津の賃貸大家、田内です
はじめまして。静岡県湖西市鷲津で不動産賃貸業を営んでおります、田内と申します。この大家業は、昭和50年頃に父と母が始めたものです。私自身も幼い頃から敷地内の草刈りや建物の掃除を手伝い、両親の隣で大家という仕事を見て育ちました。だから、数棟の借家が並ぶ風景は、まるで我が家のように慣れ親しんだ日常の空間です。

「ヴィレッジ」を創り上げた父の想い
父は昭和50年前後、借家の計画を立てる際に様々な物件を見て回ったそうです。その中で、効率を優先したマス目のような社宅配置を嫌い、あえて建物を不規則に並べることで、全体が見渡せるようなレイアウトを考案しました。さらに、そこに美しい**マキの木を点在させ、緑豊かな「ヴィレッジのような街並み」**を創り上げていったのです。全15棟の 平屋住宅(FLAT HOUSE) は、各棟に2台分の駐車スペースと土や緑のある庭を持ち、居心地の良さを追求しました。ここ高台住宅は、その居心地の良さから長い間満室の状態が続き、空きが出てもすぐに次の入居が決まるほどでした。しかし、ちょうど10年ほど前に、一時的に退去が続き、入居が決まらない時期を経験しました。
リノベーションとの出会い、そして新たな「FLAT HOUSE」へ
入居に苦戦していた頃、転機が訪れました。不動産屋さんのご紹介で、企画設計のプラの 谷野さんと、施工会社の西部リバティ 鈴木さんに出会ったのです。お二人が手掛けるリノベーションには、心底驚かされました。それまでの「修繕」とは一線を画し、外壁や内装をペンキで大胆に塗り替えたり、壁や天井を取り払って勾配天井の開放的なワンルームにしたり。さらに、おしゃれな照明や遊び心あふれるコンセントなど、細部にまでこだわったアイテムを取り入れることで、築40年以上の借家が、まるで生まれ変わったかのように楽しくて個性的なFLAT HOUSEへと変貌を遂げていきました。谷野さんや鈴木さんとは、その後も埼玉県入間市のジョンソンタウンや米軍ハウスなど、様々な場所を見て回り、多くのアイデアを取り入れながらリノベーションを継続しています。今では退去のたびにリノベーションを行い、魅力的な住まいとして入居を募集しています。
このFlat houseリノベーションを始めてから約10年が経ち、現在では15棟中12棟のリノベーションが完了しました。おかげさまで、15棟中14棟にご入居いただいており、現在1棟のリノベーション計画が進行中です。ご入居いただく方々も、以前から住んでいらっしゃる60歳以上の方々に加え、30代の方々が増えています。また、住居としてだけでなく、カバンの工房や雑貨を取り扱うオフィスなど、幅広い年代層やニーズにお応えできる「ヴィレッジ」として高台住宅は生まれ変わりつつあります。私自身は、高台住宅を単に楽しく個性的な暮らしを提供する15棟の住まいとしてだけでなく、人と人とがつながる広場のような場所にしていきたいと思っています。まるで街全体が「おかえりなさい」と温かく迎えてくれるような、そんなコミュニティを育んでいきたいのです。今後は、年に1回のマルシェやフリーマーケットを開催したり、高台住宅のウェブサイトを通して、より多くの方々にこの場所の魅力をお伝えしていきたいと考えています。
